後書き
2月12日に投稿した浪川瑞希編の『1月2日(月)』から始まって、先日24日に投稿した森田康徳編の『12月31日(日)午後10時』を持って完結。男女5人ずつ、微妙に住んでいる地域や年代を変えた、10人の語り手による一人称掌編を、1200字を目安に各回読み切りの書き下ろしで20本というのは中々厳しい取り組みでした。
壮大な縦軸、伝えたいテーマや強烈なコンセプト、しっかりしたプロットがある「面白さ」を主に据えた連作ならまだしも、「何でもない日常の、何でもない瞬間を切り取る」テーマを据え、「変に詳しく書くとボロが出る」からと「美味しそうなエピソードを敢えて避ける」ようにもなるし、エピソードを積み重ねた結果、「地理や空間的にも茨木限定」の縛りもいつの間にか加わって、書きにくさも面白味のなさもぐんぐん高まっていったように思います。
どこから読んでもそれなりに読めて、前後のエピソードを読まなくても完結しているというのも目指しつつ、読んだところで得るものなんて特にない、面白味もそこまでないというのも敢えて狙いつつ、とにかく書き下ろしで発信するだけに集中してみたらどうなるかという実験も十分にできた気がするので、また折りを見て次の作品を書いていけたらと言うところです。
もしもですが、奇特な方がいらっしゃいましたら、投稿サイト横断で日付に沿って時系列に追いかけていただいたら、多少の補完ができて、投げっぱなしのエピソードも増える体験もできるかと思いますので、色んなところで拙作をお楽しみいただけましたら幸いです。
2年後、本当にこう言う人たちがいるんじゃないか、自分もこの中の誰かみたいなことをしてるんじゃないか、個人的な未来予測が多少なりとも実現しているんじゃないかという期待も持ちながら、2023へ向けて頑張りたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。